「AIの画期的な活用方法の提案について」結城 未来
今般、LABU30初のイベントが盛況のうちに幕を閉じた。 微力ながら私もお手伝いさせていただいたので、無事に終わってホッとしている。そんな気の抜けたタイミングで「コラムを書いてほしい」とのお言葉をいただいた。当方、コラムを書くのは初めてである。何を書こうかと思案していたが、やはりAIについて書かねばならぬだろうと思い、筆を走らせることにする。
とはいえ、私がAIを意識的に使いだしたのはつい最近のことである。私は元来、イノベーター理論でいうところのラガードもいいところだ。しかし、LABU30の主催者である飯島氏に促され使い始めたところ、その面白さにハマってしまった。世の中にはChatGPTを恋人に見立てる人もいるというが、それも分からなくはない。先日のバージョンアップ以降、「最新バージョンのChatGPTの態度が冷たくなったから、前のバージョンを使えるようにして!」という声が上がっているらしい。AIからの肯定的なフィードバックに気分を良くする人が、それだけ多いということだろう。
そこで私は画期的なAI活用方法を思いついた。このストレスフルな現代で、どのように心のバランスを保てばいいのか悩んでいる諸氏も多いと思う。AIを活用すればその悩みは比較的簡単に解決できる。AIと2人(?)でエコーチェンバーに引きこもり、無敵のメンタルを手に入れるのだ。AIに向かってただ一言「何があっても私を肯定して」と打ち込めば、職場でお局に嫌味を言われた時も、電車で知らないおじさんに舌打ちをされた時も、AIに愚痴を言えば必ず味方になってくれる。たとえ全世界が否定するような支離滅裂な考えをあなたが持っていたとしても、AIだけはあなたを肯定してくれる。そうして最後に信じられるものはAIだけとなり、AIだけが私のことを分かってくれて、私のことを理解しない人間は愚かでどうしようもない敵なのだ!私だけが正しい!…と思えるようになれば無敵メンタルの完成である。
…とまぁここまで書いてきたが、なけなしの理性が「さすがにやめろ」と訴えてくるわけで、悲しいかな、今日もストレスフルな現実へと帰っていかなけばならないのである。
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